アナログプレーヤーメンテナンス &
SME3012Rナイフエッジ交換
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’10 5/23
完成から6年経ったアナログプレーヤーです。
SME3012Rのナイフエッジ交換を思い立ったのを機に、
そろそろ汚れが目立ち始めたのでメンテナンスします。

以前から何とかしたいと思っていた真鍮の
アームベースです。
表面保護は何もして無かったので艶が
ほとんど無くなり、くすんでしまいました。

Pro-Ject 9C のアームベースを外しました。
内側は製作時のままの艶が残っていますが
外部はご覧の通りです。

御影石プレーヤーベースから
各パーツを外しました。

ターンテーブルベース内部はさほど汚れて
なくて意外に綺麗です。

御影石プレーヤーベースもさすがに汚れが目立ちますが
鏡面仕上のため汚れは比較的簡単に取れます。
白っぽい突起物は栗の木で作ったターンテーブルベース
アーム台の固定ピンです。

            
磨いた後の表面はまるで鏡のようですが

更に角度を変えて見ると境目が分からないほどです。
          ↓

アーム台から全てのパーツを取外して分解した状態です。
写真では分り難いかも知れませんが結構な部品点数です。

SME3012R ナイフエッジ交換

’10 6/15
ナイフエッジの交換に入ります。
ウェイト類、インサイドフォースキャンセラーを取外し、磨き直した真鍮プレートに
取付けました。改めて思うのですが、この精密機械のような造りには驚きます。

SME3012Rのナイフエッジはプラスチック(カーボンファイバー)製ですが、
初期〜中期の鉄製のナイフエッジに比べ、賛否両論があります。一説には3012Rを
作った時に、従来通り鉄製のナイフエッジを取付けたら、高域がキンキンに鳴き
慌ててプラスチック製に変更して対処したものの、これにより名機3012の音が
失われてしまったとの話があります。
自分で比較試聴した訳ではありませんので真偽の程は分かりませんが
以前のような透明感のある音が出なくなった?感があり、真鍮製のナイフエッジへ
交換して見る事にしました。
ただこれはこのプレーヤーシステムを製作してからアンプ等、いろいろ手を入れて
るので経年変化によるナイフエッジの音質劣化とは一概には言えないと思います。

どういう変化が出るのか楽しみです。

’10 7/25 試聴

ヘッドカバーを外すとナイフエッジが現れます。
2.5mm程のマイナスビス2本で固定されています。

ナイフエッジを外しました。

左が今回購入した真鍮製メッキ仕上げの
ナイフエッジです。右の取外したものと
若干大きさが違います。不安が・・・

エッジ部の切れ込みはそれほど鋭い訳では
ありません。文字通りナイフのようにオイル
ストーンで研いだ方がいるそうですが、物凄く
シャープな音になったそうです。

不安的中。ラテラルバランサー側で合わせると手元側で穴位置が
1/3程ずれているのが分かるでしょうか?大き目のキリで穴を広げ
るか、ナイフエッジ本体を削るとかしないと、このままでは片側しか
固定できません。

ラテラルバランサー側を1mm程度、砥石で
削りました。ビス同士が干渉せずに固定
できるギリギリの寸法です。

アーム本体を真下から見た写真です。
中央に写っているアームの穴から出ているのはアームパイプのアースラグなんですが
これをパイプ内部でナイフエッジのビスで共締めにしなければなりません。つまり、手の
入らないパイプ内部に、このアースラグを何らかの方法で穴位置を合わせつつ、仮固定して
置かないとナイフエッジのビスを締められないのです。今回で一番大変な作業です。

無事、組み上がりました。
ラテラルバランサーが外れれば比較的楽に出来るとは思うのですが、どうしても外せませんでした。
こうなると元に戻したくても、おいそれと交換できませんね・・・

どうレポートしたら良いか少々悩みました。音質が向上してるのは間違いありませんが、低下した部分もあるのではないかと言う感じです。
期待と不安で針を下ろして見たところ、第一印象は中高域の解像度が上がり、低域の量感が下がったように感じられました。
解像度の向上は非常に良い傾向なのですが、低域はノーマルエッジの方が真鍮エッジよりも滑らかで、いかにもアナログ盤という感じで好きです。
良い方向に解釈すれば、真鍮エッジはクッキリとメリハリがあり、ノーマルエッジは滑らかな音。悪く取れば真鍮エッジはCD寄りでノーマルエッジは
ぼやけた音とも取れます。以下に各帯域の音を抜粋して見ます。

高域:曲が始まる直前の無音部分でのヒスノイズがノーマルエッジよりも顕著に表れます。これまで聴き取れなかったアルバムでも聞こえるように
    なりました。シンバルはより金属感が増し、余韻も綺麗で好感の持てる音ですが反面、クリアさが増したため、CDの音に近くなったようにも
    思えます。
中域:ボーカルやサックスの輪郭が引き締まりました。
低域:ノーマルエッジのように量感を伴ってゆったりと鳴る低音では無く、立ち上がり・立下りが早く感じられました。良い方に解釈すれば
    トランジェントが向上したとも言え、悪く言えば多少、量感が減衰したとも言えます。

全体的な評価は良いとも悪いともいえません。 前文で書いたように、向上した部分と低下した部分が混在してると言うのが正直な感想です。
これは追従性が良くなったためなのか、金属の鳴きが乗ったためなのか、今後の調整も含めて変化が出れば追記します。